uneyama記録

はてなダイアリー過去ログ(更新予定無し)

大きなリスクはないがしろにされ小さなリスクは騒がれる?

doramaoさんの2011-01-13の 栄養表示とナトリウム に便乗して、uneyamaが常々不思議に思っていることを書きます。
塩分の取り過ぎは良くないよ、ということも、殆どの人が摂りすぎている、ということも、情報としては良く知られていると思います。
塩の必要量は1日せいぜい2-3gなのに対して摂取量は平均でも10gくらいあるので、減らすことに躊躇する理由はないはずです。実際摂り過ぎによる病気もたくさんあるわけです。
なのにナトリウムに対しては「恐怖のナトリウム」とか「食べる爆弾」みたいな告発もあまり見ないし、某食品添加物の自称神様なども「保存料を使って減塩したものより塩をたくさんつかった梅干しの方が良い」などと書いています(事実は逆です)。
トランス脂肪酸については「ごく一部の人が望ましい摂取量を超えているかもしれない」というだけで規制しろと主張する消費者団体も、塩についてはあまり厳しいことは言わないようです。「欧米では」が大好きな市民団体も海外での減塩対策やキャンペーンについては広報したくないのかおとなしい印象です。
何故なんでしょう?


コメント頂いたので追記

>Gloriaさん

アメリカならNutrition FactsにあるDaily Valueみたいに、ナトリウム(または食塩相当量)の目標量に対する一食分中の量の%を表示するのが実用上有益だと思います。

この「目標量」をどうするかも結構悩ましい問題です。
「望ましい量」ではあまりにも非現実的で意欲がそがれそうだし、かといって高めの「現実的目安」だとさらに減らすための努力がなされなくなりそうだし。
考えられるのは長期的目標(理想的)とそれに至るまでの中間目標(何年までにこの程度)を設定して様子を見ながら順次目標に近づいていく、というようなやりかたですが、暫定目標値が変わるたびに%も変わるという若干分かりにくいことになってしまいます。

表示「教育」制度(栄養表示に限らない)

が重要なのは確かですよね。

>Ruさん

日本には、伝統食である味噌、しょう油、お漬物などがありますからね。お餅のように伝統食の擁護姿勢でしょうか。味噌汁2杯で塩分4g超えると思います。食事摂取基準でも、急激な減塩は、QOL低下を招くため徐々に・・など積極姿勢が感じられないです。私たち栄養士も保健指導、栄養指導で肉より魚、大豆など和食を勧める傾向にあるのも一因かもしれません。食塩の表示で自然、天然の表現が使われなくなりましたが、イメージが天然由来=安全と思われていると思います。

栄養士は普通の人より知識はあると思うのですが、和食を勧めるいうのは一般的傾向なのでしょうか。栄養士の中には減塩のためにうまみを使うという提案に対して、化学調味料はダメという主張をする人がいたりしてちょっと気になっています。
グルタミン酸カリウムやカルシウム、塩化カリウムなどの減塩に利用できそうなものを、「自然でない」「食品添加物」だから受け付けないというのはもったいないと思って。

doramaoさんの記事についていたはてなブックマークid:tetzlさんのコメント

全然関係ないけどうちのばあちゃん「お味噌汁の塩分があかんねや」っていいながらお椀の味噌汁薄めて全部飲んでたのを思い出した。

id:BUNTENさんのコメント

「薄めて全部飲」む。(^_^;)▼糖尿における、カロリーではなく甘味が問題という誤解みたいなもんか。甘くないからおにぎり一個くらいならいいでしょって言われても、それ食ったら2kmほど歩かないとチャラにできない。

が面白かったです。
本当にいろいろな誤解のしかたがあります。


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